2011年9月19日月曜日

サンフランシスコ・オペラの「テューランドット」

サンフランシスコ・オペラで、久しぶりにテューランドットを上演。

テューランドットを演じたのはイレーン・セオリン(Irene Theorin)、カラフはマルコ・バルティ(Marco Berti)、出演者全員の歌力もパフォーマンスはベリーグー。聞き慣れたスコア、すばらしい合唱と舞台セットで、安心して、十分、エンジョイできるパフォーマンスでした。
写真:身のこなし方、視線一つで、テューランドットを演じるセオリン。

特筆すべきは二つ。まず、リウを演じたリア・クロセトー(Leah Crocetto)。現在、アドラー・フェロー三年目。これから世界へ羽ばたこうとしている彼女のパフォーマンス。発声では、イレーンやマルコという、同じ役柄を世界の舞台で数十回とやってき長年のプロにはまだちょっとかないませんが、よく彼らに劣らずに歌い上げたというのがすごい。コントロールも確か。

感情をこめて、一音一語、丁寧に歌いあげるパフォーマンスに、観客も確かに反応して、カーテンコールでは、先輩を凌ぐ、嵐のような拍手で迎えられました。このパフォーマンスで、大プロからも、これからのオペラを支えて行く若手として受け入れられたという印象を受けました。これから経験を積み、どんどん伸びるでしょう。

もう一つは舞台。以前に見たのと同じプロダクションですが、舞台の設計、光、照明、コスチュームも含めて、一つの極められたアート。特にテューランドット等が入場するZ字型の、舞台上の「花道」、背景に見える、故宮を連想させる宮殿の壁、遠くに見える、寺院っぽい住まいの屋根の、切り絵的シルエットは意外で、斬新。コスチューム・デザインも、目をひきつけられます。今回は、兵士のコスチュームに目がいきました。写真がのせられないのが残念! 光の使いかたも素晴らしく、等身大でシリアスに演じられる大人のおとぎ話の世界を作りあげます。

オペラというのはどんなものかしりたい人たち、将来、舞台設計に進みたい人も含めて、安心して、最後まで楽しく見られるパフォーマンス。

初日のパフォーマンスのビデオ・クリップをリンクしておきます。

テューランドットのレビューはこちら

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